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漫画家 ✕ 原作者インタビュー
第2弾
『鬼の花嫁』漫画家 富樫じゅん先生&原作者 クレハ先生へインタビュー!

人間とあやかしが共生する日本を舞台に、平凡な女子高生・柚子ゆずとあやかしの頂点に立つ鬼・鬼龍院玲夜きりゅういん れいやが織りなす和風あやかしシンデレラストーリー。
コミックシーモア『みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2023』大賞を受賞し、シリーズ累計は500万部突破!ますます人気が高まる注目作品の魅力を漫画家、原作者それぞれの視点で語ってもらいました。

作画 富樫じゅん先生
大阪府在住。別冊マーガレット(集英社)にてデビュー。月刊プリンセスにて連載した『好派!蘭丸応援団』(秋田書店)は全21巻に及ぶ大ヒット作品に。女性誌、ロマンス誌など幅広く執筆、コミックも多数刊行されている。現在、大人女性向け少女コミック誌noicomiにて『鬼の花嫁』連載中。
原作 クレハ先生
大阪府在住。『復讐を誓った白猫は竜王の膝の上で惰眠をむさぼる』(アリアンローズ刊)でデビュー。『鬼の花嫁~運命の出逢い~』(スターツ出版刊)をはじめとする『鬼の花嫁』シリーズで累計500万部(※コミック、電子書籍の数字を含む)の大ヒットを記録。ほか『龍神と許嫁の赤い花印』シリーズ(スターツ出版刊)がある。
今回の「立読み歓迎! コラボプロジェクト」で『鬼の花嫁』のまど上ポスターが東京メトロ全線に掲出されることになりました。この話が決まったとき、どのような気持ちでしたか?
クレハ
東京メトロを利用している人はとても多いと思うので、それだけ多くの人に見ていただけることが純粋にすごいなと思いました。
富樫じゅん
(以下、富樫)
お話をいただいた時、まず驚きました。電車の広告って、自分からは目にしないような情報が目に入ることが多いので、私自身、電車の広告をしっかり見るのが好きなんですね。なので、そういったたくさんの人が見るところに『鬼の花嫁』が掲出されると聞いて、すごく嬉しかったです。
では、今回掲出される『鬼の花嫁』についてお聞きします。まずは原作者のクレハ先生、作品をつくるきっかけになった出来事などを教えてください。
クレハ
もともと和風の漫画や小説が大好きで昔から慣れ親しんでいたこともあり、そういうものを書いてみたいなと思っていました。
小説サイト【ノベマ!】主催の短編小説コンテストで、テーマが「あやかし×恋愛」というものがあり、書きたい内容とコンテストの題材がマッチしていたので「これは出すしかない!」と書き始めました。
物語はどのように思い浮かんだのですか?
クレハ
どのようなあやかしを使おうか考えたときに「鬼」がまず思い浮かんで、鬼をヒーローにした作品を書こうと決めました。内容は、二人の出会いのシーンがいちばん初めに思い浮かんで、そこに至るまでの流れを考えていった感じです。
その頃、小説投稿サイトで姉妹格差的な物語が流行っていたこともあり、妹と比べられ家族から虐げられるヒロインをヒーローである鬼が助けてくれるという流れにしました。
コミカライズが決まったとき、富樫先生はどう感じましたか?
富 樫
とにかく、作品の世界観が新しいなと思いました。キャラクターもものすごく魅力的ですよね。今まで描いたことのない世界観だったので、それを漫画で描かせていただけるという嬉しい気持ちと同時に、作品がおもしろいからこそ漫画で失敗できないという責任感で身の引き締まる思いもありました。
孤独な人間の少女・柚子があやかしの頂点に立つ鬼の玲夜と運命的に出会い、そのふれあいを通じて心の成長を描く本作。人間とあやかしが共生する世界で展開されるラブストーリーは多くの読者の心を惹きつける。


『鬼の花嫁』の見どころはどんなところでしょうか?
クレハ
優遇されている妹に対して劣等感の塊だった主人公の柚子が、あやかしの中で最上位に位置する鬼龍院一族の次期当主である玲夜と出会うことで、自己肯定感を高めてだんだん強くなっていくところを見ていただきたいです。
富 樫
コミック版では、和装に力を入れて描いています。見目麗しきあやかしたちがゴージャスな和装でたくさん登場しますので、そこにもご注目いただけたら嬉しいです。
コミックでは美しい和装がたくさん出てきますが、着物の柄や装飾などのデザインはどのように決めているのですか?
富 樫
色々な資料を探して描いています。表紙などのカラー原稿は、赤い着物にしたら次は他の色になるようにとか、並べた時にできるだけカラフルになるように意識しています。
あと、コミックの発売時期にあわせて表紙に季節のお花を描いているのですが、そのお花とのコーディネートも考えて着物の柄や色を決めていますね。最近は、同じ時期に発刊される小説とコミックで表紙に使うお花も連動させたりもしています。
クレハ
小説とコミックの表紙でお花を揃えていたら、書店さんでも書籍がおかれるコーナーに同じお花を飾ってくれたりして。それをSNSに上げていただいたりもしています。
富 樫
より華やかにしていただいていて嬉しいですよね。
クレハ
本当にありがたいことです。
魅力的なストーリーやキャラクターはもちろん、小説とコミックで連動するようになった表紙を飾る季節の花や美しい和装も見どころのひとつ。


ここからは作品づくりやキャラクターに焦点を当てていきたいと思います。
『鬼の花嫁』には魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、先生たちはどのようにしてキャラクターをつくったり、デザインしているのでしょうか?
クレハ
私は、流れに身を任せて、というんでしょうか。『こういうキャラがいたらいいなぁ』という感じで増やしています。思い浮かんだキャラ同士をかけ合わせたらどんな話になるだろう?とか考えながら……計画的にというよりは、執筆を進めていく中で自然と浮かんでくる発想を元にキャラクターをつくっています。
そうして生まれたキャラクターのビジュアル化はどのように進めていますか?
富 樫
クレハ先生がキャラクターにリアルなイメージを持っておられるので、そのイメージをお聞きした上で、キャラクター同士のバランスを見ながら絵にしていっています。
キャラクターをビジュアル化していく中で、難しかったキャラクターはいますか?
富 樫
絵にするにあたっては、途中から登場する「まろ」と「みるく」ですね。ネコちゃんは大好きなんですけど、漫画にするとなかなかかわいくならなくて苦労しました。
クレハ
まろとみるくは、うちで飼っていたネコたちがモデルなんです。なので、富樫先生に写真を見せて「この子たちをお願いします!」とお伝えしました。
富 樫
かわいくしなければと思うんですけど、なんかかわいくならなくて……(笑)
クレハ
いえいえ! かわいいです!(笑)
物語の途中で柚子が出会うまろとみるくはクレハ先生の飼い猫がモデル。両先生ともに猫を飼っていて、インタビューの合間に猫ちゃんトークに花が咲く一幕も。


お気に入りのキャラクターは誰ですか?
クレハ
私はもちろん子鬼ちゃんで!二人セットでお気に入りです。女性キャラだと何気に手芸部部長が好きです。
富 樫
私は高道が大好きです。女性キャラクターですと桜子さんですね。
執筆や作画をしていて、楽しいキャラクターは誰ですか?
クレハ
玲夜が柚子のために作り出した使役獣の子鬼ちゃんたちや龍、まろとみるくなど、愉快な仲間たちのやりとりを書くのが好きです。
富 樫
猫又のあやかしである猫田東吉と、東吉の花嫁であり柚子の友人でもある透子が描きやすいですね。二人ともキャラが立っていて明るいので、やりとりなどを描いていて楽しいです。
親友である透子とその婚約者で猫又のあやかし・東吉は、物語の中で常に柚子を支えてくれる心強い存在。そしてクラスメイトたちと楽しい時間を過ごせる学校は柚子にとって大切な場所。


先生たちが語る鬼花トークはまだまだ続きます。後半は作品づくりにさらに踏み込んでインタビュー!